地学・トピック15 北上隈高地にも月面を想定してみる
[初期掲載 2011年 12月 〜 2012年1月 (全くの未完成で、出来ている一部のみの掲載)]
2012年 1月末現在の暫定の目次です。 今後、徐々に内容を追加し、一旦記述した部分の構成も少し変更するかもしれません。
目次
1 地球の隕石衝突孔痕の地形の推定 (これまでの観察と考察)
2 北上高地の範囲
3 作業の方針
4 北上高地付近の水系図
1 地球の隕石衝突孔痕の地形の推定 (これまでの観察と考察)
この話は、ここまでこの地学トピックスをご覧いただいてきた方には、明瞭なように、トピック1「早池峰山」と、トピック5 「岩手県 岩洞湖(がんどうこ)付近の特異な地形」と、トピック8 「阿武隈高地に月面を想定してみる」の続きになります。
特に、トピック8 「阿武隈高地に月面を想定してみる」を、概ね似たような方法で「北上高地」についてもやってみようというものです。この話の肝は、地球のクレーター(隕石衝突孔)の主な水系型は表1のようになるだろうという考えで、これで地形をみるということです。隕石衝突孔の風化地形は、主に水系≒谷線と、尾根線に着目して、これらが円形状・楕円形状か、それに近い形を呈するものをさがすことになります。
表1 地球のクレーターの主な水系型
- 環状型 ---- 中央が少し高くなっているクレーターに発達
- 集中型 ---- 中央が最も低くなっているクレーターに発達
- 平行型(中央平坦面傾斜型) ----- 傾動を伴う、中央が平なタイプのクレーターに発達
2 北上高地の範囲
阿武隈高地で行ったのと同様に、中・古生界と新第三紀以降の新生界とを区別することが重要と考えて、文献4の東北の地質図を基本にして、図2−1,図2−2の範囲を「北上高地」の範囲とすることにしました。
なお、この地域内には、久慈付近など狭い範囲に古第三紀の地層が分布するところもありますが、これも、特別区別せず「北上高地」の一部とみなすことにします。それから、北部の北部には、海岸段丘の段丘堆積物(更新世の堆積物)や、新第三紀層の狭い丘陵がありますが、これらは、基盤の中・古生界の上に載る表層だけのものとみなします。リアス式海岸のごく狭い沖積低地も当然、表層物とみなします。
図2−1 北上高地の範囲(その1)北部
図2−2 北上高地の範囲(その2)南部
3 作業の方針
北上高地の範囲は北は青森県八戸付近から、南は宮城県の牡鹿半島先端までの大変、南北に長い、広い範囲になります。この範囲は1/20万の地勢図では、「八戸」、「盛岡」、「一関」、「石巻」の4枚の図幅にまたがります。そこで、1/20万の地勢図の各図幅を基本に、まず、水系図をつくり、水系のパターンと、もとの地勢図での稜線のつながり方の観察で、円環状、あるいは、楕円環状の谷線、尾根線を少し意図的に抽出して、個々について少し検討した後、全体の「クレーター地形分布図」の作成にもって行こうと考えています。
なお、円環状の稜線・楕円環状の稜線は、稜線の頂の平面的な分布パターンに着目して、環状山列 ( または、円環状山列 )、楕円環状山列という名称を用いることを提案したいと思います。
地勢図で、この地域の地形をざっと見たところ、阿武隈高地より、全般に稜線の保存が良いように思われます。ただ、岩洞湖付近で見たように、形状は、きれいな単純な円形をしていることはまれで、同芯多重楕円状であったり、クレーターの重なり合いが頻繁にみられたりして、複雑な形のものが多いようです。阿武隈高地で行ったことより、より、山列の観察を丁寧に行う必要がありそうです。
4 北上高地付近の水系図
4−1 八戸図幅の範囲の水系図
20万分の1地勢図 八戸図幅の範囲の水系図を図4−1に示します。水系図なので、河川や河川名が主な内容ですが、位置関係が分かりやすいように、市町村の中心として、各役所の位置の印と、市町村名、それから、主な駅の位置と駅名をひらがなで表記しました。駅名や町村名以外の地名をこれらの記号のそばに書いてあるところもあります。駅名でない場合は、漢字で集落名を書いてあります。また、町村名と主な集落の地名が異なると思われる場合は、集落名を書いてあります。ただし、中心が図幅の範囲内にある市町村名は必ずどこかに記入してあります。
水系図に山の名称を記入するのは、ちょっと邪道かもしれませんが、主な山の名前も緑色の文字で記入してありますが、こちらの位置はだいたい文字の中心あたりで、山頂を明示するような方法はとっていません。山の名称を入れたのは、位置をわかりやすいするためと、後の作業の都合でもあります。
図4−1 1/20万 地勢図 八戸図幅の範囲の水系図
4−2 盛岡図幅の範囲の水系図
20万分の1地勢図 盛岡図幅の範囲の水系図を図4−2に示します。市町村名は、年々変化しています。図幅によって修正年が異なるので、隣り合う図で市町村名が異なる場合があります。ここで用いた、盛岡図幅と八戸図幅とでは、八戸の方が新しい修正なので、八戸には「八幡平市」がありますが、盛岡の方には「八幡平市」はありません。まだ、町や村のままです。
図4−2 1/20万 地勢図 盛岡図幅の範囲の水系図
4−3 一関図幅の範囲の水系図
20万分の1地勢図 一関図幅の範囲の水系図を図4−3に示します。この図を作成した時は、妙に細かいところが気になって、小さな溜め池まで、きっちり入れました。溜め池の分布状況が北上高地と北上低地で違っているのに気づいたせいかもしれません。北上川本流より西側の例えば、水沢、前沢付近などでは、一般的な水系パターンと相違する、河川の上流側の河川の間隔が、下流側より狭まっている、扇状地特有の水系パターンを示しているところがあります。
図4−3 1/20万 地勢図 一関図幅の範囲の水系図
2012年 1月末現在の記述はここまでです。
参考文献
1 国土地理院 数値地図200000(地図画像) 日本−U の中の 「八戸」、「盛岡」、「一関」の画像
「八戸」は、平成17年9月1日発行(昭和36年編集、平成16年修正版)
「盛岡」は、平成17年7月1日発行(平成05年編集、平成16年修正版)
「一関」は、平成19年12月1日発行(平成03年編集、平成18年修正版)
2 木内 信蔵、山口 恵一郎 監修 1978 「日本分県地図」 昭文社
p.16-17 青森県、 p.18-19 岩手県、 p.20-21 宮城県
3 藤田 至則・端山 好一他 編 「日本の地質2 東北地方」 1989 共立出版
p.3, p.9, p.48の地質図
4 日本列島の地質編集委員会 編 2002
理科年表読本 コンピュータグラフィクス 日本列島の地質CD−ROM版
丸善 第2章 日本列島の地質 (の中の
東北地方の地質図)