スポンジによる載荷・除荷にともなう変形復元実験
ここでは、スポンジによる載荷・除荷にともなう変形復元実験を試みてみました。
実験準備
ホームセンターなどでは、いろいろな売り場で、さまざまなスポンジを、それぞれの目的用で売っていて、普通に市販されているスポンジの種類は多いのですが、ここで用いたいような「柔らかいスポンジ」は、ほとんどありません。結局、スーパーで学童が水彩画を描くときに、水彩の筆やパレットの手入れ用に売っていた3枚1組のものが、最も柔らかかったので、これを用いることにしました。
ここでも、バネの実験で作った載荷台をそのまま使います。荷重はやはり単2の電池2個を使った実験をしてみますが、予備的に行ったところでは、変化がわずかなので、より重い荷重を用意したほうがよさそうだということがわかりました。そこで、水を満たしたビンを用意して、これを用いることにしました。具体的には、ドレッシングが入っていたビンを、使用後きれいに洗って乾燥させてから、水を入れて蓋をしたものを4本用意しました。
なお、圧力と縮み量の関係をみるために、ここでは、1000グラムまで計れる料理用の秤(はかり)も準備し、荷重の乾電池と、水を満たしたと゛ンの重さを測定しておきました。
実験用の材料など一式(正面から)
実験用の材料など一式(斜め上から)
スポンジをきれいに重ねて、後で右側の載荷台をのせる
スポンジに載荷台をのせた状態(斜め上から)
実験=載荷と除荷
スポンジに載荷台をのせた状態(正面)
・載荷実験(一回目)
荷重として、最初は、単2の乾電池2つを使いました。電池を載荷台に載せて、手をはなしてやります。すると、ほんのわずか沈み込んで、すぐとまったような気がしますが、変化が小さ過ぎて良くわかりません。

荷重を載せると、スポンジが縮んで、載荷台がかすかに下がつたようですが、変化が小さいので、ほとんどわかりません。
目盛り部分の拡大(約7.0cm)
・除荷実験(一回目)
この状態から、荷重の乾電池を取り去ってやります。すると、スポンジが伸びて、もとの状態にもどっているはずですが、ここでも、変化が小さ過ぎて良くわかりません。
荷重の乾電池を取り去った状態。
目盛り部分の拡大(約7.0cm)
・載荷実験(二回目)
荷重として、次は、もっと重い水を満たしたビン4本を使いました。ビンをバランスをくずさないように慎重に載荷台に載せていきます。4本ものせると、今度は、沈み込んでいるのが良くわかります。沈み込んだ状態を写真にとっておきます。
荷重を載せると、スポンジが縮んで、載荷台がしっかり下がる。
目盛り部分の拡大(約6.4cm)
・除荷実験(二回目)
この状態から、荷重のビンを2本だけ取り去ってやります。すると、スポンジがすみし伸びて、載荷台が少しだけ上がります。この状態も写真にとっておきます。
荷重のビンを2本だけ取り去った状態。
目盛り部分の拡大(約6.5cm)
この状態から、さらに残りの荷重のビンを2本も取り去って元にもどします。もちろん、載荷台はさらに少し上がります。
荷重のビンを全部取り去った状態。
目盛り部分の拡大(約7.0cm)
この実験から、スポンジは「バネ」=「弾性体」として振る舞うことは明瞭です。さらに、手で押して、非常に柔らかいと感じるこのスポンジでも、変位量=ひずみ量は、感覚的には小さいので、「スポンジ構造は、上に重量の大きなものを載せても、縮みはさほど大きくない」ように感じます。
・荷重増と歪量の計算
あまり主観的な感覚の話をしても意味がないので、実験に使ったスポンジがどれくらいの圧力増に対して、どれくらい縮んだかを計算してみます。なお、べき乗は、ホームページ作成の都合上、たとえば、2の2乗を、2^2 といった表記にしてあります。
ビン4本の総重量−−−1405g
載荷台の重量−−−− 115g
-----------------------------
合計 1520g
スポンジの面積−−−9.6cm×9.6cm=92.16cm^2
スポンジにかかる圧力
載荷台のみのとき
115gf/92.16cm^2= 1.25gf/cm^2
載荷台とビン4本のせたとき
1520gf/92.16cm^2=16.49gf/cm^2
スポンジと載荷台の厚さ
スポンジ3枚の合計の厚さ−−−−4.4cm
載荷台の厚さ−−−−−−−−2.7cm
--------------------------------------
合計 7.1cm
実測の縮み量は、
7.0cm−6.4cm=0.6cm
です。7.0cmは、載荷台のみのときの、載荷台上面の高さなので、
スポンジと載荷台の合計の厚さとの差は、載荷台の重みで縮んだ分です。
7.1cm−7.0cm=0.1cm
載荷台のみのときの歪みは、
0.1cm/4.4cm = 2.27%
載荷台とビン4本のせたときの歪みは、
(0.1cm+0.6cm)/4.4cm =15.91%
歪みの増加は、
15.91% − 2.27% = 13.64%
圧力の増加は、
16.49gf/cm^2−1.25gf/cm^2=15.24gf/cm^2
圧力増加1.0(gf/cm^2)に対する歪み増加は、
13.64(%) / 15.24(gf/cm^2) = 0.90 (%・cm^2・(gf^−1))
ということになります。
このスポンジは、荷重が平方センチ当たり1g増えると、約1%弱、歪みが増す(=縮む)ということです。
・「圧力増加に対する歪み増加」の意味
この数字の意味は次の例え話で理解していただけると思います。
仮定の話ですが、このスポンジで1m×1m×1mの大きさのスポンジ塊を作って、その上に1m×1mの大きさの適当な固さ、適当な厚みの、板を敷いて置くとします。そして、単に板を敷いた状態と、その上に体重100kgの人に乗ってもらったときの状態を比べると、
100kg = 1.0×10^2 kg = 1.0×10^5 g
1m×1m = 100cm×100cm =1.0×10^4 cm^2
圧力の増加は、
1.0×10^5 gf / 1.0×10^4 cm^2 = 1.0×10^1 gf/cm^2
なので、歪みの増加は、
1.0×10^1 gf/cm^2 × 0.90 (%・cm^2・(gf^−1)) = 9.0%
と計算されます。
だから、100kgの体重の人が乗ったとき、このスポンジ塊は、1mの9%、つまり9cm沈む(縮む)
という計算になります。多分に感じ方の問題ではありますが、これは、私には「スポンジ構造は、上に重量の大きなものを載せても、縮みはさほど大きくないように感じられる」変位の大きさです。