物性についての簡易実験(1)
そもそも固体とは、液体とは何なのでしょうか。ここでは、固体である柔らかい塑性体と、粘度の大きい液体の性質(物性)の違いを、簡単な実験で見てみます。これを書いている人は完全な甘党なので、実験材料には、ごく身近で見つけた甘いものを使っています。
・準備=材料と容器の準備
とても簡単な実験なので、材料と容器があればOKです。なお、途中からはさじを使いました。
「粘度の大きい液体」として「黒みつ」を、「柔らかい塑性体」として「チョコホイップ」を選びました。基本的には、これらを容器に入れて、そのときの状態を観察するだけの非常に簡単な実験です。
実験材料一式(斜め上から)
実験材料一式(正面から)
・柔らかい塑性体(固体)の変形状態の観察(1)
柔らかい塑性体(固体)であるチョコホイップをチューブから絞り出して、容器に入れて、そのときの形の変化を観察します。チューブと容器のほんのわずかな隙間を移動しているときは、上下に筒状にのびていますが、先端が容器の中で、とぐろを巻いて、落ち着きます。そして、一端落ち着いた形は、そのままにしておけば、全く変形しません。
チューブから絞り出したところ
少し時間がたっても、もとの形はそのまま保たれている
・粘度の大きい液体の変形状態の観察(1)
液体について、「変形」という言葉を使うことは、ほとんどないと思いますが、ここでは、あえて使わせてもらいます。粘度の大きい液体である黒みつをチューブから滴下して、容器に入れて、そのときの形の変化を観察します。チューブと容器のほんのわずかな隙間を移動しているときは、上下に細く、筒状にのびた液流か、または滴として容器に落ちていきます。容器の中では、量が少ない始めのころの液の広がりの先端は、表面張力のために、平らにはなりませんが、それ以外の液表面は、常に水平を保ちつづけます。あたりまえですが、液体は入れる容器の形に「変形」します。
チューブから滴下しているところ(始めの量が少ないとき)
チューブから滴下しているところ(量が多くなってきたとき)
柔らかい塑性体(固体)の変形状態と粘度の大きい液体の変形状態の比較(1)
あまりに、あたりまえなので、何をやっているのかと馬鹿にされそうですが、この両者を比較すると、外力が加わらない限り、塑性体(固体)は、もとの形をそのまま保ちつづけ、液体は、容器の形で、上面が水平になる形を保ちつづけます。一定の形を保ちつづけるということは、一緒ですが、保たれる形は、全然別です。
前記の実験の後、少したったときの状況(斜めうえから)
前記の実験の後、少したったときの状況(正面から)
・柔らかい塑性体(固体)の変形状態の観察(2)
柔らかい塑性体(固体)であるチョコホイップに「外力」を加えたときの形の変化を観察します。
といっても、「とぐろ」の上の部分をさじで押してやるだけです。すると、押している間は、その力に応じて、押された部分がへこみます。しかし、一端、さじをはなして、そのままにしておけば、その後は、全く変形しません。
「とぐろ」の上の部分をさじで押そうとしているところ
「とぐろ」の上の部分をさじで押しているところ
少したったときの状況
少したったときの状況(上の写真の一部拡大)
・粘度の大きい液体の変形状態の観察(2)
液体については、粘度が大きくても、表面を水平に保とうとする性質が強いので、目にみえるような変形は、ほんの一瞬だけしか現れません。「黒みつ」の表面をさじで少し早めに押してやると、一瞬だけ、さじが通ったあとの液面が低下しますが、すぐ、水平に戻ってしまいます。「液体が容器の形・上面水平」以外の形になり得るのは、特別の一瞬間だけのことです。
さじで、黒みつを「押してみた」ところ
注意深くみていただければ、さじが通ったあとが、ほんのわずか「水位低下」しているのがわかります。
同じことをもう一度やってみましたが、当然結果は同じです
柔らかい塑性体(固体)の変形状態と粘度の大きい液体の変形状態の比較(2)
上の実験が終わって、少したっても、両者とも形を保ったままなので、変化はありません。
「変形状態の比較(1)」の状態との変化は、実験器具に「さじ」が追加されたことと、さじで押したチョコホイップの「とぐろ」の形が変化したことだけです。
実験後、少したったときの状況(容器内)
実験後、少したったときの状況(全景)
実験の結論
結論は、あまりに、あたりまえですが、「柔らかい塑性体(固体)」と、「粘度の大きい液体」とは、全くの別物なので、両者を混同しないでいただきたいということです。