岩手県 早池峰山・遠野市付近の気になる地形
 最近、千葉 達郎氏が「活火山 活断層 赤色立体地図でみる日本の凸凹」という大変面白い本を出版されました。もともと大の地図好きの私は大変興味深く、この本の様々な地図を眺めていました。そして、火山のないはずの北上山地にあたかも火山のような地形があることに気がつきました。1つではないのですが、いくつかの内、最も明瞭と思われる岩手県の早池峰山南部から遠野市北部にかけての地域について、数値地図を用いた等高線図をつくってみました(図−1)。




図−1 岩手県 早池峰山南部から遠野市北部にかけての地域の高密度段彩等高線図

(国土地理院の数値地図データを利用して作成 :詳細は参考文献の欄に記載)


 図−1の上部の(=北部の)中央に高い山が2つあります。北側が早池峰山で、南側が薬師岳です。薬師岳から尾根線を左右それぞれに追っていくと、馬蹄形(=ほぼ一部が欠損した円弧)のような形になります。この馬蹄形の南東の端に東北東−西南西の断層を想定して、ここで、右横ずれをしていると考えると、その南側の低い尾根の尾根線が南端で1箇所河川の侵食で切れてはいるものの、残りの円弧のように見えます。図−2のようです。



図−2 早池峰山南部から遠野市北部にかけての地域の尾根線図

 私には、この地形があたかも火山のカルデラが侵食されてできた地形であるかのように見えるのですが、どうでしょうか。もちろん、地質図をみても文献をみてもここに火山がないことは明らかなので、謎めいていて一層興味をそそられるわけです。
 これは一体何なのでしょうか?


補足
[高密度段彩等高線図]は、私が勝手に作った言葉です。等高線図の等高線の密度を高くし、等高線の色で、段彩表現をする地形の表現方法です。なお、段彩の色づかいは一般的な、平地を緑にして、高度が高くなるに従って黄緑、黄色、薄い茶色、濃い茶色と変えていくという方法はとらず、一定の範囲で同じ色を繰り返して使う方法にしています。この方が細かな地形の襞(ひだ)と、大局的な高度の両方を同時に表現できると考えたものです。

等高線の色と間隔

間隔 25m


0 - 175m 黒
200 - 375m 青
400 - 575m 黒
600 - 775m 青
800 - 975m 黒
1000 - 1175m 黄緑
1200 - 1375m 黒
1400 - 1575m 黄緑
1600 - 1775m 黒
1800 - 1975m 黄緑


参考文献

千葉 達郎 著 「活火山 活断層 赤色立体地図でみる日本の凸凹」 技術評論社 2006
                                 p.13, p.40-41
国土地理院 数値地図50mメッシュ(標高) 日本−U
の内
594103 (上宮守), 594104 (土淵), 594105 (能舟木)
594113 (竪沢), 594114 (大出), 594115 (白見山)
594123 (早池峰山), 594124 (高檜山), 594125 (江繁)
のデータを引用して図−1を作成しました。