4−2 南九州の温泉位置と温泉熱源の推定
[初期掲載 2010年 12月 ただし、未完成で一部のみ掲載]
目次
4−2−1 南九州の温泉位置
4−2−2 南九州3県の温泉位置表
4−2−3 火山の噴火中心位置
4−2−4 火山の噴火中心位置と伏在割れ目系
4−2−5 温泉の歴史と源泉温度からの温泉の分類
4−2−6 各県の温泉の分類
4−2−7 火山性温泉と非火山性温泉の判別
4−2−8 非火山性温泉の熱源探し
4−2−9 「南九州の温泉位置と温泉熱源」のまとめ
4−2−1 南九州の温泉位置
4−2−1−1 南九州の範囲
便宜的に行政区分を用いて、鹿児島県、宮崎県、熊本県の3県の範囲をここでの「南九州」にします。
4−2−1−2 温泉リストの作成
温泉の位置と火山の位置の関係から火山性温泉と非火山性温泉を判別でき、その非火山性温泉の位置とその付近の地質などから、非火山性温泉の熱源の探求ができるのではないか。そんな、ことを実際に行ってみたいなと考え始めたのは、かなり前のことで、そのころ、書店でとりあえず温泉を網羅的に紹介している本を探していたら、ちょうど、これにマッチした本を見つけて購入しました。
そのときの本、
「マップルマガジン 温泉&宿 九州」 2006 昭文社発行
の記載データを元に県別の温泉リストを作成しました。リストの作成に当たっては、位置と歴史と源泉温度を重視し、泉質や効能、(宿泊)施設のあれこれ、などは全く無視しました。
なお、2006年の温泉地の行政地名や、その読みも重視しました。読みは、元本に掲載されているもの、1/20万地勢図に掲載されているものは、これにより、市名や郡名などで、これらに記載されていない、難しいと思われるものは、参考文献3の「分県地図」の地名索引により、読みをひらがなで記載しました。
4−2−1−3 温泉位置の特定
温泉の位置は、元本の地図の位置が基本です。ただし、あとでの様々な作業を考えると、経度、緯度を数値で明示できれば、それにこしたことはないので、国土地理院の数値地図20万分の1地勢図(地図画像)CD-ROM版の経度、緯度読み取り機能を用いて、各々の温泉位置の経度、緯度を読み取りました。
元本の地図と、20万分の1地勢図の位置の照合が簡単に明瞭に出来た場所と、必ずしも簡単ではない場所とがありました。簡単ではない場所もこの辺という点を決めて、位置の特定をしたので、必然的に、照合が簡単に明瞭に出来た場所の位置精度は高く、簡単ではない場所の位置精度は低くなっています。同じリストの中の、同じ書式の位置データですが、精度には多少バラツキがあります。位置の最大誤差は、約1km弱と思ってください。
また、温泉地の性質上、ある範囲の複数の温泉の中のどこかを代表点として表さざるを得ません。そのとき、20万分の1地勢図の温泉記号の位置と、元の本の地図の温泉記号の位置が一致していないときがあります。こういう場合は、20万分の1地勢図の温泉記号の位置を採用しました。
4−2−2 南九州3県の温泉位置表
4−2−2−1 鹿児島県の温泉位置表
下線部分をクリックしてください。
鹿児島県の温泉位置表
4−2−2−2 宮崎県の温泉位置表
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宮崎県の温泉位置表
4−2−2−3 熊本県の温泉位置表
下線部分をクリックしてください。
熊本県の温泉位置表
2011年2月初旬現在は、ここまでです。以下は、今後の書き込みの見込み項目などを書いておきますが、大幅に変更するかもしれません。
4−2−3 火山の噴火中心位置
4−2−3−1 火山の噴火中心の位置の特定
地形や、参考文献4の記述から、主な噴火中心と思われる峰などを選び出して、各峰の位置を、1/20地勢図の経度緯度で読み取ります。参考までに、わかる範囲で、峰の標高も記載します。場所によっては、噴火または、噴気の後が窪地になっているところがあります。こういう場合は、その中心位置を読み取ります。窪地底の正確な標高がわからない場合は、標高欄は、「−」表示にします。
また、火口が大きい噴火口の場合、火口の縁の最高点が山の頂きになり、いちおう、噴火の中心点とみなせる火口底の中心とは少し位置も高さも異なってしまう場合もあります。1/20万図で分かる範囲内で、最高点と火口底中心の各々を記載した山もあります。火口湖になっている場合は、火口湖の概ねの中心位置を測定しました。
4−2−3−2 阿蘇火山帯の火山の噴火中心の位置
九重火山の噴火中心の位置
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九重火山の噴火中心の位置
阿蘇火山の噴火中心の位置
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阿蘇火山の噴火中心の位置
4−2−3−3 霧島火山帯、霧島火山列群の火山の噴火中心の位置
霧島火山の噴火中心の位置
霧島火山については、文献4の各点の他、1/20万地図で判断して、火口的な地形と思われる池と窪地も合わせて示しました。
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霧島火山の噴火中心の位置
4−2−4 火山の噴火中心位置と伏在割れ目系
4−2−4−1 火山の噴火中心位置から推定する伏在割れ目系(亀裂)
火山列よりだいぶ狭い範囲についても、全く同じような考え方で、火口などの噴火中心の直線配置=火口列を見いだせば、これが、火山下の伏在亀裂に合致しているとみなせます。火口としては、最高点や火口湖中心、火口窪地中心などを、その火山の地形を見て最適なものを選ぶようにします。また、亀裂方向は、数方向におよぶことがほとんどと思われます。どの方向まで認めるかは、単純になりすぎず、複雑になりすぎず、火口と火口の間があきすぎずということを目安にしていきます。とても曖昧な基準ですが、これでやっていくことにします。
なお、ここでは、「亀裂」と「割れ目」を同じ意味で、適当に使っています。使い分けに意味はありません。あまり同じ言葉を繰り返して使いたくないので、2通りの言い方をしているだけです。
4−2−4−2 阿蘇火山帯の火山の噴火中心の位置
九重火山の噴火中心の位置(経緯度小数表示版)
九重火山の噴火中心位置を経緯度を角度の小数表示に変換したものを示します。
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九重火山の噴火中心の位置(経緯度小数表示版)
この値で、縦横が全く適当な長さの「方眼図法」でプロットして、地名と推定伏在亀裂を記入したものを作りました。いい加減な地図なので、面積も方位も正しくありません。が、プロット範囲が狭く、とりあえず、火口列の方向性を検討したいという目的には充分です。
・九重火山の推定伏在亀裂
九重火山の推定伏在亀裂
割れ目系の新旧判定は、事実上不可能に近いのですが、この図を見る限り、先に南北方向の引っ張りで、東西方向に走る亀裂が発生して、次に、東西方向の圧縮で、北西−南東と、北東−南西の一組の共役割れ目(断層?)系が形成されたとする推定が合理的に思われます。南北の引っ張りのとき、小さく東西にも引っ張られたとすると、南北に走る短い亀裂の説明もつきます。
共役割れ目系を南北圧縮でなく、東西圧縮によるものとしたのは、平治岳−黒岳−大船山の頂上を結んだ角度がわずかながら鋭角であり、一目山−猟師岳−黒岩山の頂上を結んだ角度がわずかに鈍角であるためですが、涌蓋山−黒岩山−猟師岳の角度と、三俣山−星生山−久住山の角度はほぼ直角なので、この判定が正しいかは微妙です。ただ、東西の亀裂が、東西圧縮による圧裂引っ張りによる extension fracture
(伸長割れ目=引っ張り軸に鉛直な割れ目)
でもあると考えれば、東西圧縮の方が合理的です。
・伸長割れ目と圧裂引っ張り
extension fracture は、正式には、伸長裂罅(しんちょうれっか)というようですが、難しすぎる専門用語になってしまうので、同じ意味の「伸長割れ目」にしました。
「圧裂引っ張り」は、圧縮軸に対して鉛直な方向に引っ張り力が生じ、ときに、圧縮軸を含む平面に沿って割れる場合があるので、この引っ張りを特に、こう呼んだものです。土や岩石の一軸圧縮試験で、試料の円筒形の筒に平行な割れ目に沿って割れることがあります。この場合、この割れ目は、圧裂引っ張りによる割れ目と判断されます。
阿蘇火山の噴火中心の位置(経緯度小数表示版)
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阿蘇火山の噴火中心の位置(経緯度小数表示版)
・阿蘇火山の推定伏在亀裂
阿蘇火山についても、前と同様のプロットを行い、伏在亀裂の推定をしました。
阿蘇火山の推定伏在亀裂
阿蘇火山についても、九重火山と似た推定が成り立ちます。すなわち、先に南北方向の引っ張りで、東西方向に走る亀裂が発生して、次に、東西方向の圧縮で、西北西−東南東と、東北東−西南西の一組の共役割れ目(断層?)系が形成されたとする推定が合理的に思われます。南北の引っ張りのとき、小さく東西にも引っ張られたとすると、南北に走る短い亀裂の説明もつく点も全く同様です。ただし、阿蘇火山では、北北東−南南西の短い亀裂も少しみられ、これと、西北西−東南東の方向は直角なので、少しの西北西−東南東方向の引っ張りを伴う、大きな北北東−南南西の引っ張りが働いた時期があったと推定されます。仮に、この時期が南北引っ張りと東西圧縮の間なら、図の右下の原因推定を上から下に向かって辿ると正解になります。しかし、やはり、亀裂の形成時期の新旧判定は出来ないので、順序については、未知のままという判断が正しいでしょう。
なお、阿蘇火山では、共役亀裂系の方向が、西北西−東南東と、東北東−西南西で、東西の軸が鋭角の中心線になるので、東西圧縮は明瞭です。
4−2−4−3 霧島火山帯、霧島火山列群の火山の噴火中心の位置
霧島火山の噴火中心の位置(経緯度小数表示版)
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霧島火山の噴火中心の位置(経緯度小数表示版)
・霧島火山の推定伏在亀裂
霧島火山については、次図のような推定になりました。
霧島火山の推定伏在亀裂
霧島火山では、韓国岳や新燃岳の主な火口のある北西側と、高千穂峰や御池のある南東側で、少し割れ目系の傾向が異なっているように見えます。北西側で目立つ亀裂方向は、北西−南東、北北東−南南西、南北、東西です。南東側で目立つ亀裂方向は、東北東−西南西です。両地域とも、それ以外のあまり目立たない亀裂方向もあり、全体に、亀裂方向の分散傾向が顕著です。
共役関係にあるかも知れない方向は、北西−南東と、北北東−南南西の組み合わせですが、これが共役関係か否かわかりません。ほとんどの割れ目は、割れ目の走る方向と直角な方向を軸とする、引っ張り軸の伸長割れ目と判断されます。
霧島火山では、基盤自体が下から鉛直上昇の力を受けて、その結果様々な方向に引っ張り力を生じたのではないでしょうか。
今年、2011年2月、新燃岳が噴火して、火山灰による被害などが連日ニュースになっています。新燃岳は、六観音御池と中岳を結ぶ北西−南東の伏在割れ目に噴出した火口と考えられます。この伏在割れ目は、北東−南西の引っ張り力で生じたものと考えられます。噴火と北東−南西の引っ張り力の間に何か関係があるのでしょうか。
4−2−5 温泉の歴史と源泉温度からの温泉の分類
4−2−5−1 温泉の歴史による分類
4−2−5−2 源泉温度による分類
4−2−5−3 組み合わせ分類
4−2−6 各県の温泉の分類
4−2−6−1 鹿児島県の温泉の分類
4−2−6−2 宮崎県の温泉の分類
4−2−6−3 熊本県の温泉の分類
4−2−7 火山性温泉と非火山性温泉の判別
4−2−7−1 鹿児島県の温泉
4−2−7−2 宮崎県の温泉
4−2−7−3 熊本県の温泉
4−2−8 非火山性温泉の熱源探し
4−2−9 「南九州の温泉位置と温泉熱源」のまとめ
4−2 「南九州の温泉位置と温泉熱源」の参考文献・地図
1 前家 修二 編集 2006
「マップルマガジン 温泉&宿 九州」
昭文社 発行
2 国土地理院 2006 刊行 数値地図200000(地図画像) 日本−V CD−ROM版
の中の「屋久島」、「開聞岳」、「鹿児島」、「宮崎」、「八代」、「延岡」の各図幅
3 木内 信蔵、山口 恵一郎 監修 昭文社 発行 「日本分県地図」 1978
p.98-99 熊本県、 p.102-103 宮崎県、p.104-105 鹿児島、p.189-231 地名索引
4 唐木田 芳文・早坂 祥三・長谷 義隆 編 1992 日本の地質9 九州地方
共立出版 p.210-212, p214-221